超おすすめ!盛岡冷麺の味とレシピ【韓国冷麺との違いとは】

ぴょんぴょん舎 GINZA UNA 盛岡冷麺 Foodie(フーディー)

岩手の盛岡市には盛岡冷麺という昭和から続く大人気のご当地麺料理があります。盛岡冷麺は、わんこそば、盛岡じゃじゃ麺と並んで盛岡三大麺の一つです。

盛岡冷麺の見た目は韓国冷麺と似ていますが、材料や味が韓国冷麺とは違います。というのも盛岡冷麺が日本人の口に合うようにカスタマイズされた日本仕様の冷麺だからです。

盛岡には冷麺を提供するお店がたくさんありますが、東京だと「ぴょんぴょん舎」という盛岡にある老舗の東京支店で本場の味を楽しむことができます。

今回は盛岡市民のソウルフード・盛岡冷麺のレシピ、味、歴史について詳しくご紹介します。

盛岡冷麺の味とは

まずは盛岡冷麺の味についてご紹介します。

盛岡冷麺は、あっさりとした平壌冷麺と辛みのある咸興冷麺を融合させて作られました。
盛岡冷麺
トッピングの具材には、カクテキ、キムチ、ゆで卵、梨、スイカ、牛スネ肉または牛チャーシューが多く使用されます。

韓国冷麺との違いは、盛岡冷麺ではカクテキが使われていること、黄色みのある白い太麺でコシが強いこと、器が白いこと、別辛というカクテキオーダーできることが挙げられます。

韓国の冷麺はこちら。ステンレスの冷麺器、細い黒い麺が多く使われます。
韓国冷麺

盛岡冷麺のスープについては牛骨をベースに鳥ガラなどと煮込み、日本人好みのスッキリとした味わいに仕上げています。韓国冷麺よりも酸味が抑えられており、牛骨が染みた滋味深い味が特徴。わりかしあっさりしていて甘味も抑えられているので飲み干す人も多いとのことです。

辛さはトッピングとして加えるキムチによって調節します。だいたいのお店はカクテキという大根のキムチを使用。カクテキは歯ごたえとほどよい酸味が美味しいキムチです。

麺は小麦粉とじゃがいものでんぷんで作られており、大変コシの強い太麺で、はじめて食べた人は「まるでゴムのようだ」と言う人も多くいます。そば粉を使用していないため韓国冷麺のような黒さはありません。
ぴょんぴょん舎 GINZA UNA 盛岡冷麺 白麺

まとめると盛岡冷麺とは、真っ白な器に「辛い、酸っぱい、甘い」が三位一体でバランスよく合わさっており、変なクセもないので盛岡では子供から大人まで食べられているソウルフードの一つです。

もし盛岡のお店で提供されている味を知りたい方は、以下が本場の味とほぼ同じでした。実際に全種類の冷麺を取り寄せて味比べして選びました。

「盛岡冷麺」の名付け親『ぴょんぴょん舎』の盛岡冷麺


 
実際にぴょんぴょん舎の冷麺を通販でお取り寄せしましたが、お店で食べてる並に美味しかったです。
ぴょんぴょん舎 盛岡冷麺 通販

盛岡冷麺の歴史

冷麺(韓国語ではネンミョン)はもともと現在の北朝鮮・平壌で生まれた料理です。ちなみにいつ頃生まれたかはわかっていませんが、1635年の朝鮮の書物『谿谷集(계곡집)』という本の中に歴史上初めて冷麺についての記述が出てきました。

韓国冷麺についてはこちらの記事をどうぞ。


冷麺の発祥である平壌冷麺。黒く細い麺が特徴。
平壌冷麺

その後、1939年に日本にも冷麺が伝わり、盛岡市内ではじめて冷麺を出したのが1954年5月にオープンした食道園というお店です。しかし、主人の楊 龍哲(ヤンヨンチョル)氏が作った冷麺は、はじめ盛岡市民には受け入れられませんでした。

理由は平壌冷麺をそのまま再現した黒い麺やゴムのような食感が気味悪がられたとのこと。その後、そば粉を小麦粉に変え、重曹を加えた今のスタイルを確立しました。

食道園の冷麺。
盛岡 食道園 冷麺

1965年頃から、盛岡市内に冷麺を提供する店が続々と出てきました。そして、1986年に盛岡で開催された「ニッポンめんサミット」に出品する際、ぴょんぴょん舎によって「盛岡冷麺」と正式に名付けられました。ちなみにこのサミットの開催日である10月17日は「盛岡冷麺の日」となりました。
※現在でも食道園は盛岡市内で営業しております

盛岡冷麺の歴史については以下の本に詳しく書かれています。

小西 正人(著)、貴重な盛岡冷麺の歴史書

盛岡冷麺の食べ方

特に変わった食べ方はありません。好みで酢をかけたり、辛さを調節するだけです。だいたいのお店は冷麺と一緒に焼肉も食べられるので、シメで冷麺を食べるのも美味いです。

辛さはだいたいのお店が3〜7段階でわかれています。自分で調節したい方は「別辛」という別皿に盛られたキムチを注文できるのも盛岡冷麺特有の文化です。
盛岡冷麺 辛さ 別辛

盛岡冷麺の量とお値段

冷麺単品の値段は平均すると1,000円前後。普通のラーメンよりやや高いくらいです。

食道園の冷麺の値段。
食道園 メニュー

ぴょんぴょん舎の冷麺の値段。
ぴょんぴょん舎 メニュー

盛楼閣の冷麺の値段。
盛楼閣 メニュー

大盛りは+200円前後でできるお店が多かったです。

盛岡冷麺のレシピ

ここでは自宅で作れる本場と同じ盛岡冷麺のレシピをご紹介します。
まずは下記の材料を用意しましょう。

材料(2人前)【盛岡冷麺】
・盛岡冷麺用の麺(市販)・・・2玉
・きゅうり・・・2/3本
・ゆで卵・・・1個
・カクテキキムチ or 白菜(市販)・・・80g
・牛チャーシュー・・・2枚
・梨 or スイカ・・・2切れ
・おろししょうが・・・適量
・おろしニンニク・・・適量
・酢・・・適量
・白ゴマ・・・適量
・糸唐辛子・・・適量

【スープ】
・水・・・400ml
・酢・・・大さじ4
・鶏ガラスープ・・・大さじ1
・しょうゆ・・・大さじ1
・砂糖・・・大さじ1

【牛チャーシュー】
・牛肩ロースブロック・・・300g
・水・・・500ml
・しょうゆ・・・50ml
・みりん・・・50ml
・日本酒・・・50ml
・砂糖(三温糖)・・・大さじ3
・ローレル・・・1枚
・鷹の爪・・・1本
・しょうが(粗切り)・・・1片
・ニンニク・・・3個
・ネギ(青い部分だけ)・・・10cmほど

盛岡冷麺のコシのある白い麺はamazon、楽天、またはYahooショッピングで購入できます。どちらも味に大差のないで売り切れていない方でいいと思います。

レシピ

1. まずは牛チャーシューから。牛肩ロースと上記の牛チャーシューの材料をすべて圧力鍋に入れ、圧力がかかってから30分ほど中火で加熱します。

2. 加熱後、自然放冷すれば牛チャーシューの完成。

3. 次にスープを作ります。上記のスープの材料をすべて鍋に入れて中火で煮ます。

4. 沸騰したらボウルなどの器に入れて粗熱を取り、冷蔵庫でしっかり冷やします。
※シャーベット状まで凍らせてもおいしい

5. スープが冷えたら、盛岡冷麺用の白い麺を麺ごとの規定時間、茹でます。

6. 茹で上がった麺をザルに上げ、しっかり冷水で洗って水を切り、スープに投入します。

7. きゅうり、ゆで卵、果物、キムチ、牛チャーシューをカットして盛り付けます。

8. 最後に白ゴマ、糸唐辛子を散らして完成です。

以下はアオキの麺を使用して作ってみました。トッピングは他にトマトや豚チャーシューもおすすめ。
【アオキ】生冷麺(白) 完成品

冷麺をさらに美味しくさせる作り方のコツ

レシピ通りでもおいしいのですが、さらに盛岡冷麺を美味しくさせるコツを5つご紹介します。

【コツ1】スープはシャーベット状にまで凍らせる
冷麺 スープ シャーベット状
冷麺はやはり冷やして食べたほうがうまい。シャーベット状になるまで3〜4時間ほど冷蔵庫で冷やしましょう。

【コツ2】麺はしっかりほぐしてから鍋に入れる
冷麺をほぐす
袋から出した麺はだいたい麺同士が引っ付いて塊になっています。しっかりほぐしてから鍋に入れましょう。また麺を鍋に入れたら、しっかり混ぜながら茹でましょう。

そうしないと規定時間茹でても、ところどころ、だまができてしまいます。口にしたとき、まだ茹で上がってなかったときの不快感は想像以上です。

【コツ3】茹で終わったらすぐに流水で洗う
冷麺 流水で洗う
冷麺はコシが命です。茹で上がったら素早くザルに上げ、すぐに流水で洗いましょう。

【コツ4】アルコールを落とす
冷麺 麺 アルコール
生麺タイプの麺には品質保持のため、アルコールが加えられています。このアルコールが残るとツーンとしたエグみの原因になるので、茹で上がったら流水でしっかりと洗い流しましょう。

【コツ5】梨はいいものを使う
冷麺 梨 あきづき
酢豚にパイナップルは邪道と言う人がいるように冷麺に梨は不要と言う人もいます。しかし、個人的には梨を入れることにより、酸っぱさの中に甘さという癒やしができ、あたかも砂漠の中でオアシスを見つけたような感動が生まれます。この感動を増幅させるには、梨は少し高めの甘いものを選びましょう。個人的には、500円近くしますが「あきづき」という高糖度で酸味の少ない梨がおすすめです。

ちなみに梨を入れる理由は胃腸を整える効果があるためです。一般的に冷麺は焼肉後のシメに食べられるので、最後に胃を落ち着かせようと入れるようになりました。

盛岡冷麺の通販について

作るのが手間な場合は...
盛岡の名店・ぴょんぴょん舎の盛岡冷麺がお取り寄せできます。ぴょんぴょん舎は盛岡で大人気の名店で、筆者が一番好きな冷麺のお店です。

「盛岡冷麺」の名付け親『ぴょんぴょん舎』の盛岡冷麺

 
ぴょんぴょん舎の実店舗で食べた盛岡冷麺があまりに美味しすぎて私も取り寄せました。
ぴょんぴょん舎 盛岡冷麺 お取り寄せ

スープと麺以外にもキムチ、酢、ゴマが付いてきます。
ぴょんぴょん舎 盛岡冷麺 通販

好みの具材を盛り付けて完成。
ぴょんぴょん舎 盛岡冷麺 完成品

さすが、ぴょんぴょん舎の麺。コシがあって麺自体からも旨味が出ています。
ぴょんぴょん舎 盛岡冷麺 白麺

 
戸田久の盛岡冷麺も美味しかったです。

盛岡・東京のおすすめ盛岡冷麺3選

最後に盛岡と東京でおすすめのお店を3店舗ご紹介します。3店舗とも私の大好きなお店です。

【盛岡市】食道園


まずは盛岡冷麺発祥のお店の食道園。こちらは盛岡駅から15分ほどのところにあります。なんと創業1954年(昭和29年)と約70年前から営業しています。

創業時はまったく日本人に受け入れられなくて、かなり試行錯誤したそうです。今では盛岡市民には無くてはならないソウルフードにまで昇華したので当時の努力が報われました。

すべての味の基準はここです。ぜひ押出式の“ツルツルシコシコ”とした麺を味わってみてください。

◆店舗情報
店名:食道園
住所:岩手県盛岡市大通1-8-2
電話番号:019-651-4590
営業時間:
[月~土]
11:30~15:30(L.O.15:00)
17:00~23:00
[日・祝]
11:30~15:30(L.O.15:00)
16:30~21:00(L.O.20:30)
✳︎日によって早く閉店する日あり
定休日:第1・第3火曜日
行き方:
・JR上盛岡駅より徒歩13分
・JR盛岡駅より徒歩14分
その他:盛岡冷麺発祥のお店
※店舗情報は変更される可能性があるので、詳しくは店舗にお問い合わせください

【盛岡市】盛楼閣


次はJR盛岡駅のすぐそばにある盛楼閣。こちらも盛岡冷麺の人気店。電車に乗る前にパッと食べたいときにおすすめのお店ですね。

一番の特徴は、辛さが7段階あること。そしていくら辛くしても追加料金を取られないのが辛党には嬉しいところ。またスープ、麺、キムチすべて専任スタッフによって手作りで作られています。

キムチに酸味があり、辛さと一緒に酸味の調節もできる冷麺。滋味深いスープに強いコシがある麺は最高においしいのですが、一点注意が必要。キムチを入れすぎるとキムチの味が勝ってしまうので、ほどよく入れることをおすすめします笑

◆店舗情報
店名:盛楼閣(セイロウカク)
住所:岩手県盛岡市盛岡駅前通15-5 ワールドインGENプラザ 2F
電話番号:019-654-8752
営業時間:11:00~翌2:00
定休日:年中無休
行き方:JR盛岡駅から徒歩12分
その他:盛岡冷麺の超人気店。ここの冷麺しか食べないというファンも多い。
※店舗情報は変更される可能性があるので、詳しくは店舗にお問い合わせください

【東京】ぴょんぴょん舎 GINZA UNA

【ぴょんぴょん舎 GINZA UNA】東京で食べれる盛岡冷麺
最後は東京のお店を紹介します。東京で盛岡冷麺といえばこちらのぴょんぴょん舎 GINZA UNAがおすすめ。

盛岡に本店をもつ創業1987年の盛岡冷麺の老舗です。なんと“盛岡冷麺”という名称の名付け親のお店でもあるんです。

牛骨の深い味わいのあるスープ、コシのある太麺。すべてが完璧なバランスで合わさってる奇跡の一杯です。これが東京で味わえるなんて。。
ぴょんぴょん舎 GINZA UNA 盛岡冷麺 Foodie(フーディー)

実際にぴょんぴょん舎に訪れて、食レポもしているので味についてはこちらを参考に。

◆店舗情報
店名:ぴょんぴょん舎 GINZA UNA
住所:東京都中央区銀座三丁目2-15 ギンザ・グラッセ11F
電話番号:03-3535-3020
営業時間:
・月~金
ランチ11:00~15:00 (L.O.14:30
ディナー1700:~22:00(L.O.21:00)
・土・日・祝日
11:00~22:00
定休日:年末年始休業(12月31日、1月1日)
行き方:
・地下鉄丸ノ内線の銀座駅から徒歩1分
・JRの有楽町駅から徒歩4分
その他:東京で盛岡冷麺が食べられるお店
※店舗情報は変更される可能性があるので、詳しくは店舗にお問い合わせください

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回はもはや盛岡の郷土料理にもなりつつある盛岡冷麺についてご紹介しました。ぜひ盛岡に行った際は今回紹介したおすすめのお店を巡って、味の違いを楽しんでください。

以上、「盛岡冷麺のレシピ、味、歴史とは」でした!

 
盛岡に住んでいない方は以下から本場と同じ味の盛岡冷麺をお取り寄せできます。

「盛岡冷麺」の名付け親『ぴょんぴょん舎』の盛岡冷麺

 
市販の韓国冷麺と盛岡冷麺をほぼすべて比較して食レポしました。

韓国冷麺の歴史についてはこちらの記事をどうぞ。

この記事を書いた人:食王
食王プロフィール
世界中のご当地グルメを発掘・ご紹介するべく日夜、どこかしらへ旅に出ている美食ハンター兼ライター。今まで雑誌・食系サイトなど各媒体でご紹介した美食はおよそ500以上。このサイトのコンセプトは“本物の美食を紹介する”こと。ですので、この料理を取材してほしいなどあれば、お問い合わせよりお気軽にご連絡ください。
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麺類冷麺岩手
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