カナダには世界的に有名な名産品として「メープルシロップ」があります。
なんともいえない甘美な味が特徴のメープルシロップは、ホットケーキやパンケーキにかける調味料として日本でも大人気ですよね!
今回はそんなカナダ人が大好きなメープルシロップの魅力(種類・作り方・効能)について詳しくご紹介します。
あと日本のスーパーにはあまりメープルシロップが陳列されていません。
以下は日本のスーパーのメープルシロップ売り場。ご覧の通り、だいたい1メーカーのシロップしか売っていない。
ということなので、メープルシロップはネット通販でお取り寄せすることをおすすめします。記事末におすすめのメープルシロップをいくつか紹介しているので参考にどうぞ。
メープルシロップとは
メープルとは英語で「カエデ」のこと。なのでメープルシロップはカエデから取れた樹液を濃縮させた天然甘味料なんです。
主な原産地はカナダ東部ケベック州とアメリカ北東部で、世界シェアの74%がカナダ、26%がアメリカによって占められています。一応、日本でも作られていますが、全体の0.1%にも満たないシェアしかありません。
カナダは輸出量も世界一で、日本で売られているメープルシロップのほとんどがカナダ産です。またカナダでは国旗にメープルリーフが描かれているほど国民に愛されている調味料です。
また日本のスーパーにはだいたい1種類しか置いていませんが、本場のカナダにはなんと約7,400社ものシロップメーカーがあります。
ちなみに同じシロップのハチミツとの違いですが、ハチミツはミツバチたちによって集められた花蜜を巣で加工・貯蔵したものを指します。なので根本的な原料から採取方法までまったく違います。
メープルシロップの特徴
こちらではメープルシロップの特徴を一つ一つご説明します。
メープルシロップの歴史
メープルシロップが人間によって採取され出したのが正確にいつなのかは分かっていません。
ただし、1600年にカナダへ欧州からの入植者が来る前から先住民によって採取されていた記録はあります。当時は斧でカエデに切り傷を付け、そこに木製のくさびを刺して採取していたそうです。
またメープルは非常に栄養価が高く、当時の人たちの貴重な栄養源になっていました。
メープルシロップの種類(カエデ、グレード)
カナダのメープルシロップが採れるカエデの種類には、サトウカエデ・アカカエデ・クロカエデの3種類あり、それぞれ味が変わります。日本製メープルシロップは主に日本国内に自生しているイタヤカエデから採取されます。
また光の透過率(色の濃さ)によってグレード(等級)が以下の4つに分かれており、糖度はすべて同じですが、見た目や味、香りが変化していきます。
左から、ゴールデン→アンバー→ダーク→ベリーダークの順に並んでいます。ゴールデンが一番採取時期が早く、ベリーダークが一番遅く採取されます。
それぞれの特徴は以下になります。
ゴールデン・デリケート・テイスト(光の透過率100~75%)
最も採取時期が早いのがゴールデン・デリケート・テイスト。
一番色が明るく、スッキリとした味わいが特徴。クセのあるチーズにかければマイルドな味になる。透明度が高いほど高級品とされています。
アンバー・リッチ・テイスト(光の透過率74.9~50%)
ゴールデンの次に採取されるのがアンバー・リッチ・テイスト。
見た目は美しい琥珀色で、飽きがこないほどよい甘さが特徴。パンケーキなどさらに使える料理の幅が広がる。スタンダート的なメープルシロップ。
ダーク・ロバスト・テイスト(光の透過率49.9~25%)
アンバーの次に採取されるのがダーク・ロバスト・テイスト。
メープルの風味が強くて甘みが強調されているのが特徴。よりメープルっぽい風味が欲しい方、料理の調味料として使いたい方におすすめ。プリンにかけるとカラメルの苦味がまろやかになる。
ベリーダーク・ストロング・テイスト(光の透過率24.9~0%)
最も採取時期が遅いのがベリーダーク・ストロング・テイスト。
色はより黒みを帯び、メープルの風味が一番強いのが特徴。ダークと同様に調味料として使ったり、ドリンクに入れたりして香りを楽しみます。肉料理や香ばしいクッキーとの相性が抜群。
個人的にワッフルチキンにはベリーダークが一番ベストです。
メープルシロップの栄養価
ここではメープルシロップの栄養価をご紹介します。
【成分比較表(100gあたり)】
メープル シロップ | 蜂蜜 | 上白糖 | |
---|---|---|---|
エネルギー(kcal) | 257 | 294 | 384 |
水分(g) | 32.1 | 20 | 0.8 |
たんぱく質(g) | 0.1 | 0.2 | 0 |
脂質(g) | 0 | 0 | 0 |
炭水化物(g) | 66.3 | 79.7 | 99.2 |
ナトリウム(mg) | 1 | 6 | 1 |
カルシウム(mg) | 75 | 1 | 1 |
カリウム(mg) | 230 | 18 | 2 |
マグネシウム(mg) | 18 | 1 | 微量 |
マンガン(mg) | 2.01 | - | - |
亜鉛(mg) | 1.5 | 1 | 0 |
ビタミンB1(mg) | 微量 | 微量 | 0 |
ビタミンB2(mg) | 0.02 | 0.1 | 0 |
ナイアシン(mg) | 微量 | 0.1 | 0 |
リン(mg) | 1 | 4 | 0 |
成分値:日本食品標準成分表2015年版(七訂)より
実は栄養価の高い食べ物なんですね。
特に目を見張るのは、カルシウムの75mgとカリウム230mg。ですので血圧の上昇を防いだり、血液をサラサラにしてくれる効果があります。
メープルシロップの効能
ここではメープルシロップの効能についてご紹介します。
上白糖や蜂蜜より低カロリー
上白糖より約100kcal、蜂蜜より約40kcalもカロリーが少ない。
カルシウムはハチミツの40倍
歯や骨に欠かせないほか、血圧の上昇を抑え、イライラを抑えてくれる。
カリウムは生たまごの4倍
余分な塩分を身体から出してくれるなどのデトックス効果がある。
リラックス効果のある香り
メープルの香りにはストレスを和らげる効果がある。少し火にかけてあげると香りがたちやすい。
肝機能を保護してくれる効果がある
東京大学が実施した研究では、メープルシロップには肝機能保護効果があることが確認された。
54種類もの抗酸化物質が含まれいる
抗酸化物質は老化の大きな原因である「酸化」を防いでくれる。
低GI食品のため血糖値を上げにくい
メープルシロップはゆっくりと身体に吸収される性質があるので血糖値を上げにくい。そのため、糖尿病患者向けの低GI甘味料としても使われる。
赤ちゃんでも食べられる
1歳未満の赤ちゃんは、ボツリヌス症のリスクがあるので蜂蜜を食べることができないが、メープルシロップは食べられる。
超長持ちする
メープルシロップの賞味期限は、封を開けていなければ、ガラスボトルの場合は3年、プラスチック容器の場合は2年ほど持つ。封を開けたら冷蔵庫で保存し、1ヶ月以内に使い切りましょう。
メープルシロップから作られる甘味料
液体のメープルシロップだけがメープルの楽しみ方ではありません。ここではメープルシロップから作られる5種類の甘味料をご紹介します。
カエデの樹液を糖度66%になるまで煮つめ、ろ過して不純物を取り除いたもの。1ℓのメープルシロップを作るのに、40ℓの樹液が必要。
メープルシロップをさらに煮つめて撹拌させたもの。メープルバターとも呼ばれる。シロップとシュガーの間くらいの存在。
メープルシロップをさらに煮つめて水分を完全に飛ばして粉末状にしたもの。メープルの香りを残したい料理に最適。
メープルシロップに寒天を加えゼリー状にしたもの。液だれしないのでクラッカーに載せたり、フィンガーフードに最適。
メープルシロップをお酢にしたもの。ドレッシングとして使ったり、牛乳に混ぜたりすると美味しい。
メープルシロップの作り方
もし、ご自宅や近くにカエデの木があれば、ご自分で樹液を採取してメープルシロップを作ることができます。作り方は以下になります。
用意するもの
まずは下記の道具を用意しましょう。
・ホースとジョイント(樹液を採取する用)
・バケツ or ポリタンク
・サランラップ
(1) 氷点下の日に太めのカエデの木を見つける。
(2) 樹木に電動ドリルで穴を開けて、ジョイントを差し込み、ホースとバケツをセッティングする。
※バケツの場合は虫が入らないようにサランラップでカバーします
(3) 1ヶ月ほど放置して樹液が溜まったら回収する。
※たまに雪によって潰れていないか、樹液が溢れていないか確認します
(4) 採取した樹液の量が40分の1〜50分の1になるまで煮つめるとメープルシロップが完成です。
※採れた樹液はメープルウォーターと呼ばれる。これを煮つめて水分を飛ばしたものがメープルシロップ
失敗しないおすすめのメープルシロップ5選
こちらではゴールデンからベリーダークまでのメープルシロップを5つ厳選しました。どれも今まで実食してきた中でトップクラスの味だと自信を持って紹介できます。
いろんな味を試したい方は、まずは以下のメープルシロップから試すと違いが分かりやすいです。
【ゴールデンタイプ】マルティネット ゴールデン
・スッキリとしたクリアな甘みと香り
・甘めのパンケーキとの相性バツグン
ゴールデンタイプのおすすめはこちら。
スッキリとしたクリアな甘みと香りが特徴。パンケーキに加わると、重厚な旨みが溢れ、高級感のある味わいになります。また、たっぷりかけても、くどくなりにくい。
ちなみに、ネット上の表記は「マルティネット」と「マルチネット」の2種類ありますがどちらも同じです。
【アンバータイプ】モンファボリ メープルシロップ
・アンバーリッチテイストで何にでも使える
・液垂れしにくい
アンバータイプのおすすめはこちら。国内売上No.1のメープルシロップです。
アンバーリッチテイストで何にでも使えるタイプなので、この味を基準にして、いろんなメープルシロップを試していけば違いが楽しめると思います。
さっぱりとした甘みで、メープルの風味がやや弱めなのが特徴。なので、ホットケーキやワッフル、ヨーグルト、アイスクリーム、ドリンクなど何でも合います。
【ダークタイプ】アレガニ 有機メープルシロップ
・柑橘系の爽やかでフルーティーな甘味
・ヨーグルトとの相性バツグン
ダークタイプのおすすめはこちら。アカカエデからできるメープルシロップは他のカエデのものよりも爽やかな甘みが特徴。
味は甘すぎずクセがなく、酸味のあるヨーグルトにかけるとフルーティーさが加わり、爽やかさが倍増します。
行列のできる某有名パンケーキ屋はこちらを使っています。
ちなみにアレガニにはサイズが3種類あり、サイズによってボトルが変わります。中身はどれも同じです。
【ベリーダークタイプ】ピュアメープルシロップ グレードA
・料理に使える
・オーガニックで健康的
採取時期が一番遅いベリーダークのおすすめはこちら。
濃厚な味わいとメープルのクセが特徴。濃厚だけど後味がさっぱりした甘さなので、メープルの渋みが大丈夫ならおすすめ。
無糖ヨーグルトやトーストにかけると、素材の旨みを殺さないふわっとした甘みを感じます。
そのままかけても美味しいですが、風味が強いベリーダークは料理に使うのがおすすめ。
ちなみにこちらのメーカーはすべてのグレードを揃えていて、ベリーダークは一番右の濃い赤色のパッケージです。
【ダイエットタイプ】Walden Farms パンケーキシロップ
・カロリー0、糖質0
・肉にも合う
前述ですべてのグレードを紹介してしまったので最後はダイエットに最適なシロップをご紹介します。こちらはダイエット用のシロップで、カロリー0、糖質0なのに十分甘みを感じられる一品。
正確にはメープルシロップではないですが、しっかりメープルの風味がするのが特徴。本物には及びませんが十分美味しいです。
ダイエット時にどうしても甘みが欲しくなってきたら、これが一番おすすめ。ボディービルダーの減量時に使われることも多いです。
ちなみに同じメーカーのチョコレートソース、キャラメルソースも美味しかった。
【おまけ】おすすめメープルシュガー
最後におすすめのメープルシュガーをご紹介します。
メープルシュガーとはメープルシロップを煮詰めて粉状にしたもの。メープルの香りが強くなり、甘さが抑えられるので料理の調味料として最適です。
口コミの多い人気のメープルシュガーは以下になります。
まとめ
今回はカナダの名産メープルシロップ(種類・作り方・効能・おすすめ)についてご紹介しました。
一口にメープルシロップといってもいろんな種類がありましたね。日本のスーパーではなかなか多くの種類は購入できませんが、ぜひ、ネット通販でいろんな味を試してみていただければと思います。
ぜひ、あなたにぴったり合うメープルシロップを見つてくださいね!
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