岩手の盛岡には「盛岡じゃじゃ麺」という大人気のご当地麺料理があります。盛岡じゃじゃ麺は、わんこそば、盛岡冷麺と並んで盛岡三大麺の一つです。
盛岡じゃじゃ麺の見た目は韓国のジャージャー麺に似てますが味はまったく違います。お値段は500〜600円ほどで普通のラーメンより安いこともあり、地元民から愛されているソウルフードでもあります。
盛岡にはじゃじゃ麺を提供するお店がたくさんありますが、東京だと「じゃじゃおいけん」というお店で唯一、本場の味を楽しむことができます。
今回はそんな摩訶不思議な盛岡じゃじゃ麺という麺料理について詳しくご紹介します。
盛岡じゃじゃ麺の味とは
まずは盛岡じゃじゃ麺の味についてお伝えします。
まず見た目は麺の上にきゅうり、長ネギ、黒い肉味噌がたっぷり乗っているので初めて見たとき驚く人もいます。この肉味噌は、炒めて寝かせた仙台味噌に、ひき肉、椎茸、ゴマなど10種類以上の材料を配合して作られています。
ちなみにじゃじゃ麺の「じゃじゃ」は漢字で「炒醤」と書き、味噌を炒めるという意味です。仙台味噌を炒めながらよくかき混ぜ、1日寝かしてなじませています。
韓国のジャージャー麺とは漢字では同じ字を書きますが、見た目も味もまったく別物の食べ物です。韓国のジャージャー麺はルーがドロっとしており、もっとマイルドで優しい味がしますが、盛岡じゃじゃ麺は、もっとガツンとくる濃厚な味噌の味がします。
はじめて一口目を食べたときは美味しいか理解できませんでしたが、二口、三口と食べるごとにハマっていきました。
韓国のジャージャー麺。
麺は少し太めの平打ち麺が一般的なようです。だいたいのお店が注文が入ってから生麺を茹でるので、モチモチ食感を楽しめます。
また卓上にはいろんな調味料が揃っており、それらを混ぜ合わせて自分好みの味が作れるのも特徴の一つです。調味料には酢、ラー油、にんにく、しょうが、ゴマ油などがあり、中にはカレー粉を置いている店もありました。
ちなみに常連さんはみんな好みの味を持っています。だいたい2〜3回通うと自分の好みの味がわかってきます。
最後は少し残した具材に卵と追加のじゃじゃ味噌、スープを入れた「チータンタン(鶏蛋湯)」といわれる卵スープを頂きます。
もし盛岡のお店で提供されている味を知りたい方は、以下の白龍と戸田久のお取り寄せが本場の味とほぼ同じでした。
実際に白龍のじゃじゃ麺を何度も通販でお取り寄せしましたが、お店で食べる味と変わらず、美味しかったです。
盛岡じゃじゃ麺の歴史
盛岡じゃじゃ麺の発祥は、現在も盛岡市内でお店を構えている白龍(ぱいろん)というお店です。こちらの初代主人である高階貫勝(たかしな かんしょう)氏が旧満州(現在の中国)で食べた炸醤麺(ジャージアンミエン)をもとに昭和20年頃、作られました。
白龍のじゃじゃ麺。
始めた当初は盛岡の人々の舌に合うように、お客様の意見を取り入れつつ何度も味噌を作り直していたといいます。そうしたアレンジをしている内に現在の「じゃじゃ麺」の形が完成しました。
現在、白龍は盛岡市内で4店舗を展開。お持ち帰りやお取り寄せもできる人気店でもあります。
ちなみに4月14日は盛岡じゃじゃ麺を食べる日として「じゃじゃの日」と呼ばれています。この日に盛岡の協賛店を訪れると、お得なサービスが受けられます。
盛岡じゃじゃ麺の食べ方
じゃじゃ麺がテーブルに運ばれてきたら、冷めないうちに素早く麺とソースを色が変わるまで混ぜてください。コツは右手と左手に箸を一本ずつ持ち、麺を持ち上げては混ぜ、麺を持ち上げては混ぜを繰り返します。
このとき好みの味がわかっていれば、酢、ラー油、にんにくなどを加えます。もし、わからなければ食べながら加えても大丈夫です。
最後に一口分くらいの具材を残して、その中に卵を入れて混ぜたら、スープをかけてもらいましょう。
これでチータンタンという卵スープの完成です。味見をして好みで塩、コショウ、ラー油、味噌、ゴマ油で味付けをします。私の好みはラー油かゴマ油です。
盛岡じゃじゃ麺の量とお値段
だいたいのお店が小盛りから大盛りまで揃えています。お値段も量によって500〜700円ほどの安さで食べられるので、観光客向け要素の強いわんこそばと違って、ソウルフードとして地元民に根付いています。
ちいたんたんは追加料金が必要ですが、だいたいのお店は100円以下です。
盛岡じゃじゃ麺のプロのレシピ
ここでは自宅で作れる本場と同じジャージャー麺のプロのレシピをご紹介します。
まずは下記の材料を用意しましょう。
・うどん(生麺でも乾麺でもOK)・・・200g
・作った肉味噌・・・大さじ2
・きゅうり・・・1/2本
・長ネギ・・・10cm
・紅しょうが・・・薄切り2切れ
・おろししょうが・・・適量
・おろしニンニク・・・適量
・ラー油、酢、ゴマ油、塩、コショウ・・・少々【チータンタン】
・生卵・・・2つ
・作った肉味噌・・・適量
・ラー油、酢、ゴマ油、塩コショウ・・・少々【肉味噌】
・豚ひき肉・・・50g
・干し椎茸・・・1枚
・玉ねぎ・・・1/4個
・しょうが・・・1/2かけ
・にんにく・・・1/2かけ
・水・・・100cc
・酒・・・大さじ1/2
・サラダ油・・・大さじ1
・仙台味噌(赤味噌)・・・大さじ2
・すりゴマ(黒)・・・大さじ2
・めんつゆ(3倍希釈)・・・大さじ1/2
・ねりゴマペースト(あれば)・・・小さじ1
・砂糖・・・小さじ1
・ゴマ油・・・少々
じゃじゃ麺におすすめのジョウセンの仙台味噌はamazonか楽天で購入できます。
レシピ
1. 干し椎茸は濡れたふきんで汚れを落とし、ふっくらとするまで水100ccに浸します。ふっくらとしたら水気を切り、みじん切りにします。椎茸の戻し汁は置いておきます。
2. 玉ねぎ、にんにくをできるだけ、みじん切りにします。生姜はすりおろします。
3. フライパンにサラダ油大さじ1を引き、玉ねぎを弱火で炒めます。
4. 少し茶色くなってきたら、にんにく、生姜、豚ひき肉を入れ、強火で炒めます。
5. 豚肉の色が変わってきたら、干し椎茸と酒大さじ1を入れて、さらに炒めます。
6. ひき肉がパラパラしてきたら、干し椎茸の戻し汁を入れて、沸騰してきたらアクをすくいます。
7. 一度火を止めて、仙台味噌大さじ2、砂糖小さじ1、すりゴマ大さじ2、麺つゆ大さじ1/2を加えてよく混ぜます。
8. 再度、弱火にかけて、よくかき混ぜながら煮詰めます。
9. 最後にねりゴマペースト小さじ1とごま油を少しだけ加え、よくかき混ぜて馴染んだら肉味噌の完成です。
10. きゅうりは厚めの細切りにし、長ネギはみじん切りにします。好みできゅうりは千切りに、長ネギは白髪ネギにしてもOKです。
11. うどんを茹で、水気を切ったら丼に入れ、きゅうり、長ネギ、肉味噌を乗せます。そこに、おろししょうが、紅しょうがを盛り付けたら完成です。(うどんの茹で汁はチータンタンで使うため残しておいてください)
※お好みでラー油、酢、ゴマ油、塩、コショウで味付けしましょう!
12. 最後にチータンタンを作ります。一口残した具材の中に卵を1つ割り入れてかき混ぜ、うどんの茹で汁を加えて、よくかき混ぜます。塩、コショウ、肉味噌で味付けをしてチータンタンの完成です。私はここでゴマ油を少し入れます。
盛岡じゃじゃ麺の通販について
作るのが手間な場合は...
盛岡の名店・百龍の盛岡じゃじゃ麺がお取り寄せできます。百龍は盛岡で大人気の名店で、筆者が一番好きなじゃじゃ麺のお店です。
盛岡で食べた百龍のじゃじゃ麺があまりにうますぎて私も取り寄せました。
麺とじゃじゃソースが付いています。
好きな具材を盛り付けて完成。ラー油、酢、ショウガ、にんにくなどお好みの調味料で頂いてください。
最後のシメの「ちいたんたん」は欠かせません。優しい味でうまい!
戸田久のじゃじゃ麺もおすすめです。
盛岡・東京のおすすめじゃじゃ麺3選
最後に盛岡と東京でおすすめのお店を3店舗ご紹介します。3店舗とも私の大好きなお店です。
【盛岡市】百龍 本店
まずは盛岡じゃじゃ麺発祥のお店の百龍。こちらは盛岡市内に4店舗あります。なんと創業1953年(昭和28年)と約70年前からあるお店なんです。
まずこの店の味を知らないとじゃじゃ麺を語ることができません。すべてのじゃじゃ麺を提供するお店の源となるお店だからです。
ちなみに魚出汁のラーメンスープの中にじゃじゃ麺と同じ麺をいれた「ろうすう麺」という料理もあります。そちらも美味しいので寒い日にどうぞ。
あとフェザン店は盛岡駅内にあるので急いでるときにおすすめです。
◆店舗情報
店名:百龍 本店
住所:岩手県盛岡市内丸5-15
電話番号:019-624-2247
営業時間:
[月~土]9:00~21:00(L.O.20:40)
[日曜]11:30~18:45
定休日:無し(盆時期休、年始休)
行き方:
・盛岡駅前から岩手県交通バス(「でんでんむし」左回り)で9分「県庁・市役所前」下車して徒歩2分
・JR盛岡駅より車で8分
・高速盛岡インタ-より車で15分
その他:盛岡じゃじゃ麺発祥のお店
※店舗情報は変更される可能性があるので、詳しくは店舗にお問い合わせください
【盛岡市】盛岡じゃじゃ麺 あきを。
あきを。は盛岡駅から歩いて12分ほどのところにあるお店。盛岡一の繁華街である大通商店街の中にあります。
一番の特徴は、普通のじゃじゃ麺だけではなく、モツじゃじゃ麺や煮豚じゃじゃ麺などの変わったじゃじゃ麺も人気なこと。
味については味噌の味がしっかりしているので普通のじゃじゃ麺だけでも十分美味しいです。一升漬をいれるとさらにガツンとパンチのある味になります。
繁華街にあり、かつ深夜遅くまでやってるのでシメに食べたいじゃじゃ麺ですね!
◆店舗情報
店名:盛岡じゃじゃ麺 あきを。
住所:岩手県盛岡市大通2-3-7 CT33ビル1F
電話番号:019-653-5959
営業時間:
[月~木]11:00~翌3:00
[金・土・祝前日]11:00~翌5:00
[日・祝日]11:00~翌1:00
定休日:年中無休
行き方:JR盛岡駅から徒歩12分
その他:変わり種じゃじゃ麺もあり
※店舗情報は変更される可能性があるので、詳しくは店舗にお問い合わせください
【東京】じゃじゃおいけん三軒茶屋本店
最後のじゃじゃおいけんは東京で唯一、盛岡じゃじゃ麺が食べられるお店。場所は三軒茶屋駅から徒歩7分ほどの場所にあります。創業はなんと2003年と結構老舗。
こちらの特徴は、なんといっても盛岡とまったく同じクオリティのじゃじゃ麺が東京で食べられること。またスタッフ全員が盛岡出身というこだわりようです。これでマズイはずがありません。
調味料の数も多く、中にはカレー粉などの変わり種もあるので、普通のじゃじゃ麺に飽きた方はどうぞ。
また肉味噌、特製ラー油のテイクアウトもできるので、うどんだけを買って自宅で手軽にじゃじゃ麺を楽しむことができます。
じゃじゃおいけんの詳しいレビュー記事は以下になります。
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◆店舗情報
店名:じゃじゃおいけん 三軒茶屋本店
住所:東京都世田谷区上馬1-33-11
電話番号:03-3418-5831
営業時間:
・水曜日~日曜日
昼の部 10:30~15:30(L.O.15:30)
夜の部 17:30~25:30(L.O.25:30)
・月曜日
夜の部 17:30~25:30(L.O.25:30)
※月曜日が祝日の場合は昼の部も営業
※火曜日が祝日の場合は通常営業
※コロナのため営業時間がコロコロ変わるため、行く前に公式Twitterを見ることをおすすめします
定休日:毎週火曜、第2・第4月曜日(祝日の場合営業翌日休業)、年末年始・お盆(臨時休業日はホームページ、Instagram、twitter、Facebookにて随時更新)
行き方:
・東急田園都市線の三軒茶屋駅から徒歩6分
・東急世田谷線の三軒茶屋駅徒歩6分
・東急田園都市線の駒沢大学駅徒歩7分
その他:東京唯一の盛岡じゃじゃ麺のお店
※店舗情報は変更される可能性があるので、詳しくは店舗にお問い合わせください
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は盛岡に行かないとなかなか食べることができない盛岡じゃじゃ麺についてご紹介しました。ぜひ盛岡に行った際はいろんなお店を周って、お店ごとの味の違いを楽しんでください。
以上、「盛岡じゃじゃ麺の味とレシピ」でした!
盛岡に住んでいない方は以下から本場と同じ味の盛岡じゃじゃ麺をお取り寄せできます。